第三章
ボーリング大会開始。(1)


抽選によりレーン分けが行われた。
各自、シューズとボールを選び、きるけさん差し入れのゼリーを食べつつ開始を待つ。

そしてゲームスタート。

がっ・・・!
動かないっ・・・!
誰一人っ・・・!

この感じは、料理を取っていって丁度一人分余って誰も手を出せないとか、
ダラバーACで4人の目の前にあるパワーアップアイテムを譲り合って取れないとかの状況に酷似していた。

ここは俺が先陣を切ろうと思い、投下。

左にズレていく
玉。

結果、ガーター。

今のが2ゲーム目でなくて良かったな、
2ゲーム目だったら
お前死んでるぞ。

(この大会は2ゲーム目の第一投目でガーターを出すと、
素敵で
優雅で
瀟洒で
華麗な
罰ゲームが待っている。)

水蓮かおりさん某声優とは何の関係も無い)にアドバイスを貰いつつ、1ゲーム目は100も行かずに終了。

そして2ゲーム目の開始時、めがぎがさんは荷物からペットボトルを取り出した。


あ、あれは
戦悔李茶!
まさかこの時代に残っておるとは…

知っているのか
○電!



戦悔李茶(センブリチャ)
古代中国の傭兵、亜芭外(あばげ)が使用した霊薬。
悪意と滋養の篭った製法により、少量と言えど悶絶する程の味を持つ。
戦に出陣し、失態を起こした仲間に飲ませる事により、
戒めと、次の活躍に期待すると言う意味を含むと伝えられている。
また、女傑「華江出(かえで)」がこれを飲まされ悶絶した際、
「信張(しんちゃん)」がその姿を凝視したため、仲間から断罪を受けた伝説が残る。
―民明書房「中華霊薬記」より―

そして高野楓さんの持ってきた紙コップが用意された。
(その紙コップで人形遊びしてた人が居ました。俺です。)

ちなみにセンブリ茶は、毎年進化しているらしく、
(2009年・センブリ茶プレミアム、2010年・センブリ茶スパークリング)

今作は
数え切れない茶葉、薬草を精密なバランスで配合し、煮込むこと七日七晩。
嗅覚や視覚からは決してヤバサが伝わらず、尚且つ不味さは
前作の数倍。

ディップして食べることで
さらに数倍。

これが、戦武李茶・
窮(キワミ)だ。
さあ諸君、
自分の悶絶を止められるかな?


…と言った代物である。
(誇張表現あり)


当然ながら、皆慎重に投げていく。
俺も例外ではない。

唯一人、早々にガーターを出してしまい、悶絶するIO(いお)さん。
IOは犠牲となったのだ…
苦味の犠牲にな…


何投かした後、俺は思った。
(安全パターン過ぎてヘタレプレイになってるな。ちょっとスコアを伸ばすため冒険するか・・・)

神に祈りつつ、俺にストライクを出させてくれと、そう思いながら、俺は玉を転がした!

それは一概に、見たことも聞いたことも無いような投球フォームだった。

そして左にズレていく玉。

結果、
ガーター。

神は言っている、
ここで死ぬ
運命(さだめ)だと。

少量だけ注がれた
センブリチャキワミ、アッー!
しかし、威圧感は只ならぬ物がある。

だが、俺も無知ではない。
復活パターンの仕込みのため、甘いドリンクを買っておいたのだ。

そして一気に飲み干す!




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