●プリントシール座談会を終えて
私が感じた事を端的に言うと、プリ機は、完全な「コミュニケーションツール」として活用されている、という事です。
私も座談会終了後、参加者の皆さんと一枚撮ってきましたが、撮影合間のコメント、ラクガキのバリエーション、女の子心をくすぐるオマケや占いなどのプライズ等、コインを入れた瞬間からテンションを落とさせない工夫が随所にあり、驚きました。
はっきり言って、男性でもテンション上がります。
プリ機を作成しているメーカーさんはよく研究しているな、とひしひしと感じました。
400円で皆が親密になれて、撮影後もテンションが落ちず、「楽しい」という余韻に浸れるアミューズメントは、そうそう無いかと思います。
その為か、フロア全体の女の子達も見てみると、全員が凄い笑顔だったのも印象的でした。
そこは撮影を撮るだけの空間ではなく、多彩な衣装貸し出し・ホテル並みのパウダールームの装備、クローゼット準備などもあり、正に女の子達の「夢の空間」と言っても過言ではありませんでした。
中には、中高校生の仲間同士で「自分自身を着飾る」事をプリ機で覚えるそうです。
●余談:プリ機とビデオゲームの関係
プリ機は、一般的にビデオゲームと対極の位置にあると思われています。
しかし、それらを「コミュニケーションツール」として考えると、実は媒体は違えども、同じベースであると言えます。
ビデオゲームの「オフラインマルチプレイ」で例えると、昔の作品だと「ガントレット」「ギャラクシアン3」「アヴァロンの鍵」等、現在では「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」「ダライアスバーストアナザークロニクル」等といった、ローカル上でのマルチプレイタイトルが盛んですが、プリ機で考えると、今も昔も多人数撮影による「リアルなコミュニケーションツール」である訳です。
また、ゲーム中のアバター機能をプリ機で言うなら、ラクガキと衣装貸し出し等が該当しますし、ビデオゲームではICカード等によるデータ保存がある一方、プリ機では、ネットサービス等でサーバーに保存して皆で画像をシェアする事が出来ます。
これも、コミュニケーションがあってからこそのサービス、です。
プリ機は、撮影する事は不変でありながらも、高画質、ナチュラルな画像補正、写真データの配布、ラクガキ、多人数撮影等、時代のニーズを汲んできました。
それは、「美しく撮る」だけでなく、「仲間と一緒にこの時間を楽しみたい」という共有思想から自然に生まれたもの、と考えられます。
通常のスナップショットでは苦手だけど、プリ機であれば、女の子が「なりたい!」という姿に変えてくれる訳ですから、「カワイイから見て貰いたい!」という女の子の願望が表現出来るツールとして、積極的な撮影も多いと伺います。
「あの衣装、まさかこんなに似合うとは思ってなかった!」
「そうそう、プリ機撮った時には、丁度文化祭終わってテンション高かったよね!」
「失恋直後だったけど、みんなでなんかプリ撮って、写真見て、元気もらった」
そのような気持ちは、ビデオゲームで言う、「マルチプレイ」のコンセプトと共通する部分があります。
是非ゲームセンター側では、プリ機を取り囲むコミュニケーションの訴求に力を入れて頂きたいと思います。
プリ機には、まだまだ多くのニーズが隠れているかと思います。
学生や仲間同士での思い出作り。
コスプレイヤーの表現場所。
通常では体験出来ない「自分」を試せる場所。
まずは、スタッフ側で様々なカルチャーがある事の理解と、積極的な情報収集からだと思います。
そろそろ、劇的なパラダイムシフトが期待出来そうです。
私はそう思います。